暖かい闇

酒と食事と過去

飲食雑記:2023年7月22日から遡れるだけ遡る

2023年7月16日 フジツボ、エツ、アナジャコ

 某スーパーで、フジツボ、エツ、アナジャコを購入して家で食べる。エツとアナジャコは唐揚げに。フジツボは塩茹でに。すべて初めて食べる食材だった。どれも美味しい。特にフジツボは濃厚な蟹の味。バケツいっぱいにフジツボを食べたい。愛知県産のサルボウも売っていたが、食べきれないのと調理が面倒なので買うのを躊躇った。サルボウも今は愛知県くらいでしか量が獲れないらしい。エツもいつまで食べられるか。いつか時期のエツ船に乗って刺身を食べてみたい。

 

2023年7月7日 冷やし中華、酢豚

 神保町の店で。なんでも冷やし中華発祥の店だとかなんだとか。店員のおばちゃんとおっちゃんが塩対応でこれこれ~ってなる。老舗×塩対応はむしろ期待度が高まってしまうんだわ。出てきた冷やし中華は麺がぼそぼそで常温。どういう経緯かはわからないけど、冷やし中華発祥の店で冷やし中華が冷え切っていないのはむしろ納得かもしれない。なぜなら冷たいものは身体に悪いので。そのような価値観によるものか、当時の設備的な条件によるものかはわからないが。チャーシューや蒸し鶏がきれいに断面を四角に均等に長細くカットされていて、それでいてそれぞれの素材の味と味付けがはっきりわかり、オールドタイプの中華料理の説得力を感じた。中華料理にピンバンという冷菜があるが、あれはそれぞれの素材の料理に加えて、庖丁でのカットが料理の華であり技術なわけで、出てきた冷やし中華にもその技術の余技を感じることができた。逆に言うと、千数百円の料理だけ食べて帰るのは申し訳ないとも思った。上の階は宴会で使われているようだったけど、あの人たちのおこぼれでこの冷やし中華が食べられるのだな。

 酢豚もよかったなーー。豚、胡瓜、タケノコ、サツマイモ、長葱。揚げられてはいるけど肉の角が立つように綺麗にカットされていたのがわかる。ここにも技術ですよ…! 肉はしっとりと、ふわっと揚げられており、ほのかな下味の塩胡椒。またこの塩胡椒の加減が絶妙。

 

2023年7月2日 食事会

 幣宅で友人を呼んで食事会を。もとは羊羹を食べる会だったが、羊羹を食べるためだけに集まるのもわびしいということでいろいろ作ることに。作ったのは以下。

・桃カプレーゼ

 バジルではなくスダチの皮と果汁を。生ハム乗せバージョンも作成。

・玉蜀黍摺り流し

 レンチンしたトウモロコシと鰹と昆布の一番出汁を合わせてブレンダーにかけて網で濾して冷やして塩味を整えて提供。暑いから最初に冷たい汁物が出るのは良いと思って。仕上に醤油を塗って焼き上げた焼きトウモロコシと、スダチの皮を浮かべた。自分用か味覚の合う人のために作るならたぶん昆布だしと合わせるだけだけど、人が来るならたっぷりの鰹節を使って出汁をとってハレの日の味に仕立てた。料理屋の味。

・鰹しょっつる和えと長芋

 ほんとうは鰹酒盗で和える予定だったが切らしていたのを忘れていた。ということで急遽しょっつるで代用した。しょっつるだけだと個性が強すぎるのでコラトゥーラも混ぜた。個性に個性をぶつけたら消えるというわけではないが。角切りにした鰹にしょっつる&コラトゥーラを和えて、それに小口切りの薬味ねぎをさっくり混ぜる。別添えで長芋を千切りにして添えて一緒に食べる。美味しいんだこれが。

・平鱸昆布締め三葉和え

 平鱸が売っていたので。茹でた三つ葉と生の三つ葉と摺り胡麻(と少量の醤油)で和えるが、それなら昆布締め一晩じゃちょっと足りなかったな。2晩くらい締めてねっとりしたのを出したかった。

・ボイル剣先烏賊

 ただ茹でただけの剣先烏賊を輪切りにして酢味噌で。まあ不味いわけがない。

・出汁巻き玉子

 トウモロコシ摺り流しで一番出汁をひいたので出汁巻き卵に。

・夏野菜揚げ浸し

 茄子、ズッキーニ、アスパラガス、パプリカ、インゲンを素揚げにして、二番出汁に薄口醤油と味醂で調味した地に浸して温かいまま提供。最後にたっぷりの大根の鬼おろしと、彩りにブロッコリースプラウトを添えた。ちょっと野菜を揚げすぎて食感が残せなかったのが失敗だった。

・合鴨腿肉葱炒め

・牛たたき

 ステーキ用の肉の表面をさっとフライパンで焼いて薄く削ぎ切りにして皿に並べ、新玉ねぎ、ミョウガ、大葉、薬味ねぎをたっぷり乗せて、ポン酢ベースのタレをかける。

・蛸飯&赤出汁

 半夏生だったからね。というのは半分言い訳で、前日にスーパーに行ったら干し蛸が売っていたので作るしかないとなった。蛸飯は断然干し蛸で作るのが美味い。赤出汁はカクキューの純度100%八丁味噌に刻んだ三つ葉をたっぷり。赤出汁ダメな人もいたかもしれないが、悪いがここは我を通させてもらう、という気持ちでえいやっと出した。ダメな人もいたでしょうね。私は好きですが。

 料理は全体的にしっかり初夏っぽいラインナップにできて、細かいところで失敗はあれど概ね満足している。付き合ってくれたみんなありがとう。

 そして締めに羊羹を食べた。ひと箱1kg1万円という高級羊羹をな。美味しかった。

 

2023年6月7日&9日 洋食屋 四谷

 四谷の洋食。かつれつ食べる。美味しい。好き。狭いキッチンで効率化することろはして、残すべきコアな部分は残して、そういう取捨選択があったように思う。

 

2023年6月1日 ドジョウ汁

 ドジョウを買ってきて酒と塩で締めて洗って炒り焼きして水を入れて炊いて、ブレンダーでジュースにして、カツオ菜を入れてくったくたになるまで煮込んで食べる。味付けは塩だけで食べて翌日八丁味噌を入れて食べた。美味しい。韓国味噌があればそれを使ったんだけど家になかったので、八丁味噌で。ちなみにこれらの味噌は煮込んだ方が美味しい。

 

2023年6月1日 洋食 浅草

 浅草の老舗で。友人と。

 ミニサラダ。ビシソワーズ。カニクリームコロッケビーフシチュー。オムライス。エビグラタン。

 オムライスはふわとろオープン系でデミグラスソースパターン。この類ではいっちゃんうまいかも。カニクリームコロッケはとろっとろで美味しいけど、個人的な好みはとろっとろよりしっかりタイプだと認識。

 

2023年5月22日 とんかつ 大井町

 大井町のとんかつ。何度も行っている店だけど、福田和也の本に出てきてたので友人誘って行ってみた。この店でお酒を飲むのは初めてだった。ハムサラダとポークソテーをつまみにビールを飲んでオムレツも追加して日本酒も飲んでとんかつロースとヒレをシェアして楽しかったなーーーー。やっぱ豚屋さんだけあってハムサラダのハムがいいの使ってて良かった。ドレッシングも酸と塩味が強すぎず、主張しすぎない感じで、物足りなければ自分で塩とマヨネーズで調整できて、ツマミにしてグビグビ飲みたい人にもサラリと流してすぐにとんかつをがっつきたい人にも対応できる優れもので、その日の気分で使い分けられるようにという配慮よ………。ポークソテーは肉がしっとりしてて玉ねぎたっぷりで酒が進むし。オムレツにも玉ねぎとハムがいっぱい。とんかつ定食で腹を満たす以外にも隅々に楽しめる工夫があって感激した。ほんとに、いい店は行くたびにいいところが見つかるもので、この店はすでに5回は行ってるだろうけど、一面しか見ていなかった。頭の下がる思いだ。

 

2023年5月17日 骨付き鶏 香川ではなく横浜

 カルピス屋さん。この一言に尽きる。またカルピス飲みたくなったら行きます。

 

2023年5月の数日(日付記録なし) ウニ

 最初はイカウニに。アオリイカを薄く細くスライスして、ウニを乗せて。ウニの一番おいしい食い方これだろ。そのあと、スパゲッティ4種に使用。

①貧乏人のパスタ

②アーリオオーリオコンポモドーロベース、ウニ。アンチョビ、ケイパー、ピスタチオ。

③クリームレモンソースベース。ウニ。レモン。ピスタチオ。

④トマトクリーム。

トマトクリームがベタだけどいちばん美味しかったかも。①~③まではわりとしっかり火を入れたウニを使ったけど④では最後に和えるのと後乗せ追加したからかも。やっぱり生の方が美味いってことなのか???負けた気持ちだ。火を通しても抜群に美味しいウニパスタをいつか作ってやる。

 

2023年4月末~5月初頭 たくさんの酢豚

 夜遅く疲れて帰ってきてひたすら酢豚を作って食べて寝て翌日も朝から仕事してってサイクルだった。パイナップルジュースやオレンジジュースを使ったり、他にもいろいろ工夫した。

 複雑さで言えば、梅酒紅茶酢豚。以下作り方。

 去年漬けたダークラム梅酒30g、梅酒の梅の実4粒、黒糖15g、醤油25g、上記の5倍量くらいの水を火にかけて、梅の実が柔らかくなったら潰して種を取り除き、水を入れる前くらいの分量までリダクションする。この時点で梅の実と糖分でとろっと粘度がついているかんじ。粗熱がとれたら(ほんとは急冷したほうがいいですがすぐ作って食うのでまあよし)そこに酢を合計30g(今回は黒酢20g、リンゴ酢10g)と70gの紅茶、水溶き片栗粉少量を合わせておく。これがソースになる。豚肉300gは一口大に切って醤油(ソースに味があるから下味程度、ここは測ってない)と胡椒とほんの少し紹興酒を揉んで10分ほどおき、よく溶いてコシをきった溶き卵1個と片栗粉と少量の油を加えて揉んで衣を作る。ここも片栗粉計量してないけど粘り気具合で量を判断。水無しの卵の衣がポイント。油で肉を揚げて、薄く狐色手前のほんのり黄色くらいまでもっていく。これくらいが卵の風味が活きる揚げ具合。クッキングペーパーをひいたバットに取り出し油を切る。別フライパンにソース投入して沸かす。沸騰して水溶き片栗粉に火が通ってツヤとトロミがついたことを確認して肉投入。さっくり混ぜ合わせて豚の衣全体にソースが絡んだところで皿に盛って白髪ネギをあしらって完成。ソースと豚を和えるときに仕上げにダークラム梅酒を小さじ1杯くらい風味が増しでふりかけた。黒糖とラムのコク、梅(クエン酸黒酢リンゴ酢(酢酸リンゴ酸)の厚みのある酸、梅の風味、紅茶の渋みが調和してたいへん美味かった。

 衣は全卵を揚げた際の香ばしい風味を好ましいものとして選択してその方向性で頑張ったけど、片栗粉をまぶして卵白に絡めて揚げるやり方も今度やってみようと思う。

 

2023年4月24日 老舗蕎麦屋 室町砂場

 友人に付き合ってもらって行った。とにかくすべてが素晴らしかった。素晴らしい。また行きたい。天ぷらそばがとにかく素晴らしい。あれは卵料理だな。

 素晴らしすぎてあれこれ書くだけ野暮なので、これで終わり。絶対にまた行く。

 

今日はここまで。

次回は2022年と2023年の忘年会で作った料理について書き留めたい。