店で飲み食いしたものもそのうち書かなきゃなんだけど、とりあえず自分でつくったものをまとめておく。11月分は次回以降にまわします。
①2020年6月6日 鮑粥
近所のスーパーに大きい鮑が売っていたのでちょっと高いけど買って帰った。6月の梅雨前の暑い季節のことである。ここいらで精をつけようと思った次第。3000円くらいしたかな。
米を洗ってザルにあげておく。鮑は塩をまぶしてよくこすって洗い、殻から外して口を取り除き、身とと肝にわける。肝はザルで濾して、ペーストを洗い米と混ぜてしばらくおいておく。鮑の身のほうは薄切りにしておく。
鍋にごま油をしき、肝のペーストを吸わせておいた米を炒める。ゆっくりいためて、米がもったりしてきたら水を注ぎ煮ていく。鮑の身も早い段階で入れてしまって、今回は出汁の役割を担ってもらった。お米が割れてふんわり華が咲くまで炊けば完成。
付け合わせはキムチ、ミョウガの甘酢漬け、キュウリをごま油と日向夏の皮の千切りと塩で和えたやつ。酸味と柑橘の香りが初夏にふさわしい。
鮑粥はいままで何回かつくったことがあるけど、肝をペーストにして米と混ぜておいて炒めるってこのやりかたを今後も踏襲しよう。いままで肝を細かく刻んで入れていたけど、肝の旨味は全体に行き渡らないし、縮んだ肝の皮の食感は悪いし、磯臭さが残るし…と思っていたのがすべて解消された。さいしょに米にペーストを吸わせるから間違いなく粥全体に行き渡るし、肝の皮は濾したときに取り除いてしまうし、肝を米といっしょに炒めるので磯臭さをやっつけられるし、いいこと尽くしだ。
美味しかったな…。安くていい鮑があればまたつくりたい…のだけど、最大の障壁は値段ではない気がする。刺身で食べたい気持ちより粥を食べたい気持ちが勝たなければいけない。他の調理法とのバトルだ。鮑を摺り下ろして食べるやつも一回やってみたい。鮑粥のように、高級食材は使うけど地味、みたいな料理は、自分でつくろうってよりも、誰かを気遣ってっていうほうがつくる気が起きやすいかもしれないね。夏バテしてる人を元気にしよう!とか、そういうときに鮑粥!って発想になると思うし間違いなくつくると思う。
②2020年6月10日 自宅居酒屋
居酒屋みたいなメシを自分の家で食べたい!!という欲が湧いてきた。理由は社長に居酒屋に連れて行ってもらって、そこがよかったからだ。つくったのは以下。
・煮蛤と冷やし茄子、インゲン豆
蛤を煮てその煮汁に皮を剥いて火を通した茄子とインゲン豆を浸す。それぞれ冷やしてできあがり。美味しい。
・蛸の緑酢
蛸はそぎ切りにする。キュウリは中の種を取り除いてすりおろし、ニンニクのすりおろしも少しいれて、薄口醤油と米酢で調味して蛸にかけるだけ。夏っぽくてよい。
・トマトの出汁びたし
トマトを湯剥きして冷ました出汁にひたす。一日経った後くらいが味がなじんで美味しい。
・穴子酒蒸し
昆布を鍋にしいてそこに酒、塩と少しのみりんで液をつくりぬめりをとった穴子を並べて落し蓋をして煮る。
・鰯の酢締め
鰯はスーパーで三枚おろしにしてもらって、速攻家に帰って水分を拭き取り腹骨をすいて、塩と砂糖を振って30分程度置く。氷をいれた酢水で洗って塩と砂糖を落とし、再度水を拭き取って、米酢につける。どれくらい酢につけてたか忘れたけど、つけすぎでもそれはそれでいい。塩だけでなく砂糖を使うかどうかは好みの問題ではあるが、青魚でも脂が多い鰯は砂糖があったほうが味のバランスが取れる気がする。つけあわせは生姜、ミョウガ、大葉、カイワレ大根を水にさらして水気を拭き取ったもの。それとわかめ。
思うんだが、魚をスーパーで買うしかなく、かつ切れ味の悪い庖丁しかもっていないと、家で美味しい刺身って望むべくもないので、こうやってひと手間かけたほうが美味しく食べれるんではなかろうか。市場で目利きして魚を購入し、自分で手入れした柳葉庖丁で刺身をひく、って、そこまでやるのはプロの仕事だ。
・ヤングコーン
ヤングコーン美味い。オーブントースターで皮をむかずに20分ぐらい蒸し焼きにして食べる。ヤングコーン美味しい。
・ズッキーニのポワレ
ネットで見つけたレシピでフライパンでゆっくり火を通して、塩をふってミントを散らせば完成。焦げた部分が芳ばしくて美味しい。
食後は日向夏の皮の白いところを残して剥き、輪切りにして食べる。美味しい。
翌日の昼ごはんは穴子と鰯とトマトと薬味とキュウリを乗っけて冷やし中華になりました。豪華!!よかったですね。穴子の残りでキュウリと酢の物をつくったりしました。
③2020年7月4日 自宅居酒屋ふたたび
家に友人諸氏を招いて居酒屋ふたたび!!
・牛頬肉と椎茸の山椒煮
牛頬肉を一口大に切って、湯引きする。干し椎茸を水でもどす。牛頬肉と干し椎茸を椎茸をもどした出汁で炊く。醤油と砂糖と味醂と酒で調味する。1時間程度煮て、実山椒(今年はちまちま仕込んだぞ…冷凍しておいた)を入れて汁気を飛ばして出来上がり。これは、牛肉と椎茸の旨味がすごくて最高。牛頬肉さえ簡単に手に入ればしょっちゅうつくりたい。今回は実家から送ってもらった物資の牛頬肉(私のリクエスト)。
・竹の子味噌煮
八丁味噌を味醂と醤油と水で溶いて、タケノコを煮るだけ。タケノコは鍋で煎って水分を飛ばしてから調味料を入れます。これにも実山椒を入れる。タケノコは水煮の状態で長持ちしないから、こうやって塩分強めで再加熱して調理するともうちょっと長持ちする。
・いんげん豆生姜醤油
インゲン豆をさっと素揚げにして出汁で割った生姜醤油をかけて鰹節をちらすだけ。地味に美味い。
・鶏ささみと三つ葉の辛子醤油和え
鶏ささみを霜降りにして、茹でた三つ葉と和辛子と醤油で和えるだけ。
・鰹酒盗和え
刺し身用の鰹の血合いを取り除いて、細長く切って、酒盗と少しの醤油で和えて、小葱をちらし、山芋の細切りを添える。これも家で真正面から刺身を食べたくないと思った結果。家では和えたり締めたり漬けにしたり霜降りにしたりして生魚を食うのがよい。
・玉蜀黍とチーズの春巻き
生の玉蜀黍とチーズを春巻きで巻いて揚げるだけ。これ美味しい。
・どじょうの天婦羅花椒かけ
スーパーにどじょうがあったので。
・太刀魚ソテー日向夏玉葱らっきょうソース
太刀魚をソテーして日向夏の皮と玉ねぎとらっきょうみじん切りにして塩で調味したソースをかけるだけ。伏見唐辛子も太刀魚といっしょに焼いて添えます。
・スルメイカワタニラ炒め
スルメイカとワタといっしょに炒めてニラを最後に入れてさっと火を通して醤油で味付けて美味しい。胡椒をきかせる。
・冬瓜桜海老餡
冬瓜と桜海老を出汁で炊いてとろみをつける。
・蛸の緑酢、鰯の酢締め、煮蛤、プチトマト出汁浸し、ズッキーニポワレは前回といっしょ
④2020年7月8日 牛筋の土手煮
牛筋土手煮です。牛筋と蒟蒻。牛は飛騨牛。カクキューの八丁味噌100%一本。それと砂糖。
数時間煮る。葱をかけて、一味唐辛子かけて食べる。美味しい。
つくり方は父親の旧くからの名古屋の友人の奥様に電話してきいてみた。つくってみたけどそこの家の味にぜんぜん勝てないな…。
ところで、うちの父親が、そこの家は飛騨牛が好きじゃないって言ってたけど、自分でつくってみるとその理由がよくわかった気がする。飛騨牛は香りが弱いんだよな。もっといい意味での牛肉臭さがあったほうが八丁味噌のクセと釣り合いそう。
⑤2020年7月8日 山盛りの唐揚げと杏ジャムサワー
唐揚げをつくった。友人に杏をもらったのだが、そして私の大好物なのだが、もう熟しきってぐずぐずだったのと、杏の口腔アレルギーがあるのでジャムにしました。そのジャムとアルコールの高いウォッカ的なやつを混ぜて炭酸で割ると杏ジャムサワーになる。唐揚げと杏ジャムサワー。最高だ。
⑥2020年7月12日 カレーとポテトサラダ
牛スネ肉でカレーをつくる。市販のルーを使ったふつうのカレー。ただし牛肉はたくさん使う。玉ねぎはいっぱい炒める。いろんなカレーが好きだけどこういうのがいちばんいいかも。翌日はカレーうどんにしました。
ポテトサラダはベーコンとキュウリとゆで卵と玉ねぎが入ったやつ。
⑦2020年7月21日 鰻
どうしても我慢できずに鰻のかばやきをスーパーで買ってしまった。鰻絶滅キャンペーンに加担してしまった…。例年ならスーパーでは買わないのだが、欲望に負けた。
うざく、う巻き(これはう巻きになったのを購入)、肝焼き、うな丼……鰻とかいう生きもの、美味しすぎない?ふわっととろっとこってり美味しい。ヨシエビも売っていたので茹でて食べた。
日本酒は福井の舞美人。舞美人と鰻、完璧に合うじゃん。甘酸っぱい舞美人にこっくり甘辛の鰻…。
鰻ってやっぱり美味しいね。ほんとうに美味しい。
⑧2020年9月10日 山椒じゃこ、かりもりの昆布締め、冷やごはん、冷たい麦茶
9月はしばらく実家に帰っていた。体調が死ぬほど悪くて、しばらくゆっくりさせてもらいました。
かりもりとは愛知県やその周辺の地野菜で、しろうりみたいなかんじかな。それをちょっと塩して昆布締めにする。それと山椒じゃこ(これは母親のつくったやつです)。これを冷やごはんにのせて冷たい麦茶を注ぐ。お茶漬け。実家、最高か?????
なんか余っちゃった冷やごはんと、冷蔵庫に沸かした麦茶の冷やしておいたのと、作り置きのなんかがあって、よし、小腹が空いたからお茶漬け食うか!という思いががはじめて現実化する。実家って素晴らしすぎないか!!!????
かりもりのカリっとした食感とウリの爽やかさと冷たい麦茶と、夏の暑い夜に食べると最高に美味しいんだ。
⑨2020年9月11日 ニラと豚肉の黄身酢、焼きナス、宿儺南瓜炒め煮
ニラをさっと茹でて水にとって水分を搾る。適度な長さに切る。豚肉も茹でて(湯に塩をいれて少しだけ味をつける)こっちは水にさらさないで適度な大きさに切る。一口で食べたいから3センチ弱幅くらいかな。これに黄身酢をかける。
黄身酢は卵黄に砂糖、味醂、醤油、酢、酒を混ぜて火にかけながら練ったもの。火を止めてから和辛子を入れてさらに練ってできあがり。
焼きナスは魚焼きグリルでじっくり焼いて、皮を剥いて醤油をかけて食べる。じっくり火を通した茄子って焼きいもみたいな香りがして美味しいよね。
宿儺南瓜は岐阜の地野菜で、繊維質が少なく粒子が細かいのが特徴の南瓜。長細い形をしている。これを0.5センチ幅くらいに切って、葱と炒め煮ににする。フライパンに油をしいて、小口切りにした葱を炒める。焦げたにおいをつけたくないので、じくじく炒める。そうして水分を飛ばして葱の刺激臭が抜けきったら南瓜を投入し油をまわして水を加えて煮る。あとは塩のみで調味。南瓜が柔らかくなれば完成。こういう地味な料理、最高だな。
⑩2020年9月23日 海老
セミエビ、クルマエビ、シロエビ、ボタンエビを一挙に食べる暴挙に出た。
セミエビとクルマエビはボイルして、シロエビとボタンえびは生で。シロエビははじめて殻を自分で剥いて食べてみた。果てしない作業だけど、食べてみると「富山湾の白い宝石や~~」と叫べる納得の美味しさ。あれは手間の美味しさ、おもてなしの味なんですね。自分で剝いてはじめてわかるありがたさ。
セミエビは…イセエビには勝てないかな…。セミエビ、口いっぱいにエビを頬張るという、人間がなしうる贅沢の極限の一つを体験できたのはよかった。
⑪2020年10月15日 しっぽ汁
つくりました。食べました。美味しい。
⑫2020年10月24日 帰ってきた自宅居酒屋
・カマスの柚庵焼き
・イナダの漬けの手毬寿司
・酢締めのサンマ
・柿と胡桃の白和え
・焼き椎茸と菜の花のおひたし
・きぬかつぎ
・小ヤリイカ煮
・煮穴子
・シロウオ入り出汁焼き玉子
・煮豆腐
・四方竹と牛肉の炊いたもの
・赤貝ヒモと胡瓜の酢の物
・秋鮭混ぜご飯とイクラの醤油漬け
・九条葱と合鴨ロース出汁漬け
⑬2020年10月25日 イシモチ塩煮
前日の居酒屋で醤油味に疲れてしまったので、イシモチを煮るときは塩と水のみ。生姜も酒も甘さもいらない。居酒屋和食は美味しいけど、醤油疲れするな…。しませんか?
イシモチは前日に買ったものだが、買って帰ってきてすぐに鱗をとって鰓と内臓を抜いて、念入りに水分を拭き取って冷蔵庫にいれておいたもの。丁寧に処理して水分を避ければ、こういう白身魚は生のまま3日くらいは(火を通す前提で)保存がきくように思う。煮た後、酢橘をひと搾りしてスライスも添える。しみじみ美味い。