暖かい闇

酒と食事と過去

2020年2月3月の飲食雑記

 1月の記録で申し上げたとおり、2月3月は特記すべきものはない。七彩の話は書いちゃったし。2,3書いて筆を擱きたいと思う。

 

①2020年2月26日 現代インド料理@渋谷

 これも半年に一度くらいのペースで必ず行っている店だ。ここのコースは一人でも予約できるそうなのだが、なんだかんだ誰かと行っているな。けっこう友達いるじゃん、自分。今回も友人と行ったが、ほんとに文字通り10年ぶりに会う友人だった。10年のうち途中電話で転職相談にのったり云々してたんだけど会うのはほんとに10年ぶり。彼が転職して東京の企業に就職するというので東京で会うことになった。

 私が10年で20kgくらい太っている(太りすぎだろ、ほんとにさぁ)ので向こうは誰だこいつってなったろうな。彼のほうは少しふっくらしていたけど、端正な顔立ちと屈託のない笑顔は健在だった。性質の良い人だ。これは多分に理想化されているが、彼と出会った場所で交流を持った人たちは皆明るくて妬みとか見下しとかがなく、へんな歪みをもっていない人たちだったな。陽光に照らされて明るく語り合った記憶しか残っていない。東京に来て、大学に入ってできた友人はそれなりに腹に一物抱えている人がほとんど(特殊な事情があるかというとそういうわけでもなく、たんに性格が歪んでいるだけだと思う)だったので、どうしてこうなった。なぜなんだ。なぜだ。

 久々に会う友人を前にこちらも少し緊張して、食べたものの印象があまり残っていない。こういうの良くないなとあとで反省した。料理の味に集中できるように会話をもっていくのも術ですね。それか味をあんまり気にしないでも楽しめる店にするかどっちかだな。スープが美味しかったことだけ印象に残っている。牛の出汁にとろとろに煮込んだ玉ねぎ、バゲットを浮かべて、ブルーチーズをはじめとしたチーズをかけてオーブンで焼き上げたインド版オニグラスープ。

 あと彼と食事していて気づいたことが。自分、店員の動きやちらっと見えるキッチンの様子や隣のテーブルの客が何を食べて何を飲んでるかに気を取られすぎだ。私の目線があちこちに動くものだから、ずいぶん気散じな様子に受け取られたようだった。私が目をやるほうに彼もつられて目をやるんだけど、店員とか他のお客さんの動きを見てるだけなんだ……。ごめんよ………。これ、好きな店に行ったらどういうふうに人が動くか含めて楽しみだと思ってる人間だけがやることで、ふつうは目の前の人との食事を楽しんでればいいんだよね。彼はレストラン慣れしていないようだったけど、ソースの一滴も残さないようにキレイに食べるし、相手の目を見て真っ直ぐ喋るし、食事の楽しみかたって本来こっちだよな…と少し反省をした。

 コロナが落ち着いたらまた会いに行きたいですね。今度はちゃんと向き合える気持ちと店を用意しよう。

 

②2020年3月27日 鍋@自宅

 近所のスーパーにアサヒガニとかいう謎の蟹と北海道産のカジカとゴッコが売っていたので購入。どれもはじめて食べる食材。カジカとゴッコは食べてみたいと思っていた。友人を家に招いて食べた。

 カジカもゴッコも一度湯引きして表面のぬめりを取り除く下処理をしたけど、カジカがダメだった。くさい。個体差もあるかもしれないけど、調べると鮮度が落ちやすい魚とのこと。身質はぶりんぶりんで食いごたえがあり、フグとかその手の弾力を持っている。味もいい。北海道で新鮮なものが食べれたらおそらくむちゃくちゃ美味しい魚…だと思う。北海道では美味しすぎて鍋をつついて鍋を壊してしまう鍋壊しと呼ばれているそうなので。

 ゴッコは皮がゼラチン質で身は柔らかく、ふわトロの食感。くさみもなく美味しい。

 アサヒガニは蟹と海老の中間のような生物らしい。味は…ふつうの蟹のがうまいですね。流通量が少ないから美味しいってわけではない。当然のことですが。

 

以上。

次回は4月の飲食をまとめます。