暖かい闇

酒と食事と過去

飲食雑記:2024年5月

 近況です。

 5月は読書をほとんどしておらず、虚無です。仕事もふつう。

 小旅行的なものが2回あった。

 

2024年5月8日 イバラモエビ

 スーパーに売っていて今回初めて食べたけどけっこう美味しい。甘海老より食感があって、甘海老のように甘味があって美味しい。トゲトゲしていて剝くときちょっと痛い。ガスエビのほうが好きだけどこれも美味しい。また見つけたら買う。

 頭と殻でフォンドマール(オマールは使わない)をひく。頭と殻は乾燥するまでゆっくり炒めて、いったん取り出して同じ鍋で玉葱を炒め、しんなりしてきたらその水分で鍋にこびりついた海老の旨味をこそげ取り、玉ねぎの刺激臭が飛んだら海老頭と殻を鍋に戻して、さらに水分を飛ばして、トマトペーストを入れて玉ねぎ海老の全表面に行き渡るように混ぜながら水分をさらに飛ばし、ブランデーを入れてさらに鍋にこべりついた旨味を剥がし溶かしながらアルコールを飛ばし、白ワイン少量を入れてアルコールを飛ばし、水を入れて乾燥エストラゴンを入れて10分ほど煮出す。そいで濾す。けっこうクリアな出汁が取れたと思う。ここからいろんなソースのベースに派生できるんだが、しんどかったのでそのままスープとして飲んだ。3月4月にフランス料理をたくさん作っていたのでお手の物ですわ。

 フォンにもいろんな主義主張があるんで、どういう料理を目指すのかで作り方は様々だが、食材を入れて水分を飛ばしていって味を凝縮していくという工程はとてもフランス料理らしい調理の方法だと思う。今回のイバラモエビで出汁を取るのはとてもいい勉強になる気がする。出てくる水分で海老がびちょびちょになってもダメで、常に水分が鍋肌に触れてぷつぷつ蒸発していくイメージで、それでいて焦げないように炒めるよう気を付け、野菜を入れても同じように食材の水分が出てくるたびに鍋肌に触れて蒸発していくよう気を付けて作業をする。素材に応じて火加減も調整していく。そうすると磯臭さも飛んで、焦げ臭さもない良い出汁が取れる。

 海老の殻だけだと旨味が足りないからトマトペーストを足したり、甘味が足りないから玉ねぎを足したりする。鮮度が良くて臭みがなければ海老殻を焼く工程ももしかしたら省いてもいいかもしれない。その出汁をどういう用途で使い、どういう料理にするかによりけり。私は素人なので、定番のレシピでやったほうが失敗が少ないからそれをチョイスしますが。

 

5月8日~5月10日 牛筋と牛スネでカレー

 一度作ってしまえば数回分の自炊が消えるので作った。ものにもよるけど、牛スネだけだと脂が少ないし、牛筋だけだとゼラチンと脂が多くて気持ち悪かったりする。ということでハイブリットで作った。

 赤ワインとマデラワインをリダクションしておく。砂糖を焦がして赤ワインビネガーを加えてソースガストリックを作る。玉ねぎを大量に炒める、牛筋と牛スネに少量の小麦粉をふって香ばしい焼き目を前面に付けるよう炒める。しっかり炒め切った玉ねぎと牛肉を鍋でトマトペーストと炒めて、リダクションした赤ワインを加えて、ハインツシェフソシエのフォンドボーとデミグラスソース缶加えて、水加えて、煮る。最後に市販のカレールーを加えて煮る。贅沢仕様のカレーを作りました。はじめてやったけど結構おいしかったですよ。ブラウンルーもコクを出すために少し加えた気がする。

 そこから、鰹と昆布で出汁を引いて、醤油と味醂で調味してカレーを加えて九条ネギとお揚げさんを加えたカレーうどんに派生させたり、ごはんを最初からまぜまぜして生卵を乗せてウスターソースをかけて食べる自由軒風にしたりして楽しく食べた。ハインツシェフソシエのフォンドボーとデミグラスソース缶を加えたのでゼラチン質が多くて、自由軒風にすると米の内部にまでカレーソースが浸透しない感じがあってわりと贅沢仕様カレーと相性がいいかもしれない。

 謎洋食作るのは楽しいぞ。京都はふうインスパイア牛カツ&牛カツサンド。五反田グリルエフインスパイアハヤシライス。根室エスカロップインスパイアエスカロップ。四谷ながいインスパイアミートソース納豆スパゲッティ。大阪自由軒インスパイアカレー。まあ京都はふうは謎ではないが。

 

5月13日 牛テールスープ

 実家から牛テール肉を冷蔵便で送ってもらって。母の日に何かをプレゼントするのではなく、母親に肉を買いに行かせて送らせる、親不孝が私です。友人諸氏はちゃんと食事をご馳走したりしていたらしい。偉いな。テールスープは美味いのよ。タケノコも送ってもらって柔らかい部分をゴマ油と塩と摺り胡麻で和えてナムルにして食べた。

 

5月18日 タケノコペペロンチーノ

 タケノコの根元のほうは薄切りにしてペペロンチーノにした。仕上にクラフト粉チーズをぱらぱらかけて食べた。美味しかった。春が終わってしまう。

 

5月18日 ピビンパと、スルメイカと大根のスープ

 ナムルは多いほうがいいよね。豆もやし、ほうれん草、茄子、人参、ワラビと干し椎茸。レシピ本をみるとナムルになんでもかんでもニンニクを入れがちだけど、なくても美味しいというかないほうが美味しくないか? こないだドラマを見ていたら、もやしのナムルを作るのに、白ごま、胡麻油(私はこれと塩でしか作らない)に加えて、塩麴、にんにく、一味唐辛子を加えていて、そんな必要ないじゃんねーーって思った。なんで味を複雑にしてしまおうと思うのだろう。他のドラマでも、もやしには味がないからむしろ何色にも染まってくれるみたいなセリフがあったように記憶しているし、なんか、もやしって無だと思われていて可哀想ではないだろうか? もやしって安いからって下に見られがちだよね。お前らさ、もやしは美味しいから食ってんの!!!!という強い気持ちになる。もやしってかなり個性の強い野菜だと思うんだけど(同じような扱いをされている食材に水菜があると思う)。私はニンニクさえ不要だと思っている、白ごまも不要だと思っているから過激派なのかもしれない。

 ナムルにいろいろ味をつけたくなる理由について考えたんだけど、おそらくナムルを一品だけしか作らないなら、いろいろ複雑な味にしたい気持ちはわからないでもない。それといろいろ入れて味を複雑にした方が料理した実感が得られるという利点もあるだろうと思う。

 

5月21日 牛わかめスープ

 冷凍庫に眠らせてた近所の肉屋で買った近江牛細切れ肉を消費するために。牛とわかめをさっとごま油で炒めて(この工程が必要なのか正直よくわからんが、出汁をとらないならごま油でコクだしするためかもしれない。それと炒めてから乾ききらないくらいで水を入れると美味いこと油脂と水分が乳化して味がまったりする効果もあるように思う。)水を注いで煮る。醤油と塩で薄味に調味して終わり。味の足りない分は味の素で補った。わかめスープの旨味の源泉は牛肉で、そんなにたくさん入れるわけでもないから少々足りない。かといって他の出汁を入れたくない。ということで味の素を少量振り入れた(ほんのちょっとでいいんよ)けど、これできっちり味が決まったから今後もこの方法を採用します。牛肉の香りを邪魔したくないからこれでいい。そして私はここでもニンニクを入れない。味が足りなければ塩を足すか、小葱と醤油と唐辛子と摺り胡麻を混ぜておいたヤンニョンを加えて食べる。

 

5月21日 鍋焼きうどん

 蒸し暑い、雨の日だった。友人と冷房があまり効いていない蕎麦屋に入り、私は鍋焼きうどんを頼んだ。行く店も決めず、目についた駅からすぐ近くという理由で飛び込んだが、鍋焼きうどんにかんしては、超大当たりだった。タケノコ、シイタケ、お麩、ナルト、かまぼこに、青菜(ほうれん草)、玉。エビ天は保水エビじゃなくて、衣はごま油の香りがあって、うどんは太めの柔め、つゆは濃い目。卵焼きが入ってたら完全無欠だが、東京の鍋焼きうどんの形式をきっちり踏襲して、とても美味しい鍋焼きうどんだった。ありがとう。

 

5月23日 ボルカノのあんかけスパゲッティとポークカツブールノワ、その他@沼津

 沼津はいいぞお。ぜひ行って、ボルカノであんかけスパとブールノワを食べてください。それはなんだって? 食ってくれ。最高だから。

 ボルカノで食べた後、パン屋というか総菜やというか甘味やというかのお店を教えてもらってコッペパンのメンチカツサンドを買い、海岸で海を見ながら食べた。食べてる間、頭上を2羽のトンビが旋回し、メンチカツサンドを搔っ攫う機会がないかずっとこちらの様子をうかがっていた。沼津の海岸は砂ではなく砂利で、その玉砂利を掴んでトンビのほうに投げるなど、威嚇をしながら、身体を丸めながらコッペパンメンチカツサンドを食べた。

 このメンチカツサンド、かなり不思議な食べ物で、ソースではなく謎の甘いたれがメンチカツにからまっていて、極薄のボローニャソーセージも挟まっている。この甘いたれの味がよくわからない。店ではサンドイッチの隣にみたらし団子が陳列されており、あれなのかな?と思ったりもしたが、正体は不明だ。だがテクスチャーはみたらし団子の甘ダレと似ていて、とろりを超えたもっちりした感じ。コッペパンは思ったより食感しっかりしていて美味しく、メンチカツは食感肉っぽいんだけどあまり風味を感じず、甘いたれも主張が激しすぎるわけでもなく、なんというか、それぞれがそれぞれの個性をうまいこと打ち消し合って混然一体になっているというか、どれを取っても突出したものがなく、どういう味?と聞かれても困惑するような、そんな食べ物だった。小腹を満たすためには最高の食べ物だと思う。コンビニでも美味しい総菜パンが買える現代においてはヴィヴィッドなところがないのでいまいち押しに欠けるかもしれないが、とても好感のもてる食べ物だったと思う。これも沼津に来たらぜひ食べたいもののうちにリストオンです。

 そのあとさわやかでハンバーグ食べたのはやりすぎだったと思う。食いすぎでしんどかったあ。あと沼津では千楽ってとこのデミソースがかかったとんかつが食べたいんだよな。ちゃんと夜泊まって鮨も食べたいし。

 なんだか、沼津がすごく好きになった。他の地方都市同様徐々に活気がなくなっていってるのがわかって(私の地元と一緒だ)少し悲しかったが、ちゃんと地方都市で、他の都市にはない個性があって、歴史があって(沼津の歴史民俗資料館はオススメです)、もうちょっといろいろ回ってみたくなる。帰りしな、駅裏のほうで高校生っぽい男女グループが交番の近くで煙草をスパスパ吸っているようだったのを目撃したときは驚いたが…。

 

5月24日 チュオタン(ドジョウ汁)

 スーパーでドジョウが売っていたので…。具はシイタケ、ワラビ、ニラ、ネギ、セリ。ドジョウは圧力鍋で煮込んで溶けたやつ。味噌とコチュジャンをベースに擦り下ろしニンニク少々、摺り胡麻たっぷり。あとは醤油で味調整。美味しかった。

 

5月25日 穴子丼@富津

 友人と富津に車で日帰り小旅行。お昼の穴子丼が美味しかったーー。タレと塩味の2色丼。穴子天重も食べたら腹はちきれるかと思った。

 そのあと焼肉屋に向かったら予約でいっぱいで、東京に戻ってから焼肉食べて解散

という流れに。

 富津では東京湾観音にも訪れて大満足ですよ。友人に感謝。

 焼肉はリベンジしたい。

 

5月27日 骨董麺

 「コルトンミョン」と読むらしい。韓国料理のレシピ本に書いてあって美味しそうだから作ってみた。とっても美味しかったのでまた作る。赤、白、黄、茶、緑がそろって混ぜ合わされていて、見た目にもきれいだし、食感も味も鮮やかでとてもいい料理だと思う。すべてを別々に調理して混ぜるというところがめんどくさいけど、いかにも韓国料理っぽい発想の料理で良い。

 

5月27日 割烹

 会社のお金で。ご馳走さまでした。いい店だった。一つ一つの何気ない料理の何気ない味付けがしみじみ美味しくて、サービスは気さくで温かくて。フランス料理と韓国料理ばかり作っていた最近だが、日本料理にも今年はちゃんとチャレンジしたい。

 

5月30日 ハマグリボンゴレスパゲッティ

 家で作ったら超美味しくて、超美味しかった。ニンニクは潰したやつをジクジク炒めて香りをオリーブ油に移して、ハマグリ入れて、少量の水を入れて蓋をして、殻が開いたら殻を取り出し身はソースに残して、スパゲッティ入れて、ちょっと煮て、青唐辛子を刻んで入れて、さっと混ぜて、火を止めて、イタリアンパセリ、オリーブオイル、さっと2、3回あおって完成。むっちゃ美味い。ハマグリの繊細でいて強烈な旨味、青唐辛子とイタリアンパセリの爽やかさ。春になったら毎年作ろ。

 

5月31日 カツカレー????

 なんか謎のカツカレー食べた。てかあれカツカレーだったんかな…?

 

書くのが疲れてきたので今日はここまで。