暖かい闇

酒と食事と過去

同じ夢

小さい頃、40℃ちかくの高熱が出るときまって同じ夢を見た。
巻貝のような形をした、巨大な宇宙船が、地球を破壊しようと迫っている。巻貝は地球の直径の2倍ほどあり、どう考えたって勝ち目はない。
地上にいる「僕」は謎の老人に「地球を救え、救えるのは君だけだ」と告げられる。
でも方法がわからない、力もない、無力だ、宇宙船はすぐそこまで、大気圏まで迫っている、もうダメだ、救けられない、救けて!…毎回ここでぐっしょり汗をかいて目が覚める。
とても怖い夢だった。

さて、大人になって、職を得て、風邪をひいて寝込むときまって仕事の夢を見る。戻ったらあのメールを返して、あの書類を作って、あのデータを整理して………。
謎の老人は上司となり、僕はヒーローでもなんでもないただの平社員だ。だが、差し迫った恐怖をあのときと同じように感じ、目が覚める。
というわけで今朝もそんな夢を見た。熱があった。